転職物語11
ボーナスの発表がありました。やったー。いや、社員なら当たり前なんですよね。しかし自分には、なんでもないようなことが幸だと思うわけです。とはいえ、お金があっても使い道がわからない貧乏脳なのですが。ちなみに鰹節工場に新卒で入った社員のMくんはボーナスが給料の1ヶ月分もなくない!? と嘆いてました。その後、すぐパチスロで溶かしてましたね。
そんなわけで本日は、転職物語。鰹節工場の原料処理を通り過ぎていった男たち。
◎営業から堕ちてきたおっさんども。これは前回あたりを参照にして下さい。こりゃ営業でもアカンわといった具合。
◎自称陶芸家のT辺…確か53歳だったと思います。自称陶芸家で、道の駅にて作品の展示があった時なんかは、女の子に握手を求められたと面接の時に吹聴したそうです。誰も信用していませんでした。とにかく仕事ができない。覚えられないのでしょうか。作業中、キャリーを持ったまま寝ていたのを目撃した時は、呆れてものも言えませんでした。
掃除もノロノロ。だって、掃除機の大きく吸い込むアタッチメント外して、小さいホースでじわじわ吸ってるんですから。終わるわきゃない。エアーで機械の細部に乗ったホコリを吹き飛ばす時も、段々トリップしてくるのか、とろんとした目で1箇所を吹き続けてたりする。
最後まで要領を全く掴むことなく2ヶ月でクビ。鰹節工場は、余程のことがない限りはクビなんてないんですが、余程の余程だったんでしょうね。だって2日目から現場の人間みんなにキレられてたもの。もう陶芸家に戻れっての。本当に陶芸家か知らないけど。
◎若い力だT野くん…珍しく若者がやってきた。それがT野くんである。毎日大洲から通っているのだから大したもの。しかし噂によれば、本社で社員をしていたのだけれど、ある日突然キレてから、ここのパートとして働くことになったとか。ううむ、全然キレるような感じの子ではなかったんだけど。仕事の覚えは早いし、字も綺麗で、これからの活躍に期待していましたが、3ヶ月ほどで辞めちゃった。この子が残ってくれていたならば、自分はも少し楽に仕事ができていたと思います。けど、最後まで目を見て話してくんなかったなあ。
●T野くんで思い出したのだけれど、他工場で新入社員が作業していたところに、たまたま視察にきていた副社長が通りかかったらしいんですね。そして新人くんに一言「あなたは、何のためにその仕事をしていますか?」と。忙しい時にしょうもない質問です。新人くんは「これをやるように指示されたからてます」と答えたそうですが、それが気に入らなかったのか、副社長は新人くんをパートに降格したそうです。酷い会社もあったもんだな! もう上層部全てが癌に見えてきますよ。
◎ペルー人とハーフのおっさん…何故かハーフの人が来ました。日本には12年いて日本語ペラペラ。ちょっと雑な言葉遣いも目立つけど、田舎の人間も雑だしお互い様ってことで。身体もでかいし、力仕事で頼りになりそうかなと思いきや「ワタシ、少シ前ニサッカーシテテ、ヒザヲケガシマシター」って…!? なんやなんやで2日で辞めちゃった。一体なんだったんだ…。
◎名前覚えられなかったおっさん…あまりにもパッとしなかったので覚えてません。仕事もパッとしませんでした。更衣室でちょいと聞いた話では、趣味は休日に3時間のマッサージを受けることですって。そんな身体使ってるのか!? 1週間くらいで辞めました。
◎どう生きたらそういう大人になるのかM野さん…現在59歳。確か56歳くらいの時に原料処理に流れてきたのではなかったかしらん。ええとね、字が汚い。そして漢字が書けないし読めない。全然できないってわけではないけれど、50代のそれではない。計算も怪しいし、何度も同じ失敗をする。
そしてある日、工場のおばちゃん連中に紹介された、これまたパートの40歳のおばちゃんと付き合うことになるも、すぐに別れちゃう。しかもその間に怪しい宗教に入信させられるという駄目ムーブをかます。なんで別れたかって? だって、なんにもないんですもん。会社の飲み会で一度隣に座ってしまったのだけれど、話題の引き出しがゼロ。結局彼から出た話題は当日の天気のみで…ああ、こりゃいかんなと思いました。彼は一体、50数年何をしてきたのだろう…。
しかしそれでも忍耐強く、現在もパートとして鰹節工場に勤務中である。たぶん。けど毎日T口に恫喝されているから、その内やべえことになるんじゃないかなあ。辞める時に副工場長にはT口の動向を報告しておいたのだけれど、M好本部長と繋がりがあるなら止めさせるのは難しいとか言ってました。あとT口自身も、相手が折れるまでずっとひきませんからね。仕事を忙しくこなしている連中に絡んでいっては、今日も大勝利にだとか言ってそう。
通り過ぎていったパート編は終わり。次に続く。